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植田昌子様よりご寄贈いただいた瀧崎鎭代子氏の貴重な資料の整理が完了しました。

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【公開用】瀧崎鎮代子氏資料一覧表

瀧崎鎭代子氏(旧姓:宮内)は、東京音楽学校および東京藝術大学音楽学部で45年間(昭和8年~昭和53年)、ピアノの教員として勤められました。また、学校の業務以外でも「フリーダー会」というプライベートの勉強会を立ち上げ、50年にわたって子供から大人までピアノを教えてきました。アマチュアから芸大生まで幅広い層を対象に長年指導をしてきた鎭代子氏の成果が469点の資料に表れています(画像1)(画像2)。

瀧崎鎭代子氏資料  469点(画像1)

 

(画像2)

 

また、鎭代子氏は、音楽界の動向にも関心を持っており、昭和10年発行の『同聲會報第215号には、一部の関係者のみに享受されてきた西洋音楽が、ラジオを通して一般家庭にまで普及し始めた喜びを次のように記しています。

それにもまして嬉しい事は音楽の一般化である。それは、近代生活に最大の光を與へたラヂオを通して家庭生活に侵入して來た。居ながらして、ハルモニーに耳を傾け、リズムに心を躍らせ、メロディーを共に口ずさむ。家庭にあつて、ラヂオを通しての音樂はまことに自由であるーーーかうして、昔一種異様な近づきにくい様な氣のした西洋音楽は、もう完全に我々のものになつてしまつた。今日を呼吸する人でオルケストラの響きを異様に感じたり、ピアノの音に驚いたりする人はもう居ないであらう。

一部の関係者のみに享受されてきた西洋音楽は、ラジオを通して幅広く行き渡るようになりました。西洋クラシック音楽を幅広い世代に指導し、その価値を伝えてきた瀧崎鎭代子氏にとって多くの人々に西洋クラシック音楽が聴かれるようになったことは、非常に感慨深いことだったといえるでしょう。寄贈資料の『ピアニストの20世紀』(1999年,新栄堂)(画像3)は、瀧崎鎭代子執筆による自叙伝であり、彼女の音楽人生や音楽的価値観をより深く知ることができます。ぜひこちらもお読み頂ければと思います。

(画像3)

 

 

 

ご興味がありましたら是非ご来室ください!

瀧崎鎭代子氏関連の別の寄贈資料に関しては、2023/10/31のトピックス記事にも投稿されていますので、以下のURLよりぜひご覧ください。

https://archives.geidai.ac.jp/6977/

(澤田聖也)