本学楽理科教授の植村幸生先生より、東京藝術大学の学園祭「藝祭」のパンフレット等の資料をご寄贈いただきました。植村先生は楽理科の卒業生で、今回ご寄贈くださったものはほとんどが学生時代に集められたものです。パンフレットは1978年、1979年、1980年、1981年、1983年、
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せっかくですので、ここで中身を少しご紹介します。当時の藝祭の様子を覗いてみましょう。
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現在の藝祭と同じく、神輿パレードや演奏会、展示、野外ステージでのイベント、模擬店などがあったようですが、1980年代初め頃まではマラソン大会や綱引き大会も開催されていたようです。普段運動しない芸大生ですから、マラソンといっても距離は2.5㎞。賞品はなんと、ビールでした。
講演会も充実していた様子です。宮崎駿、安藤忠雄、つかこうへい、鵜上尚史などなど、大活躍中の芸術家が招かれました。当時の学生たちも大きな刺激を受けたことでしょう。
こちらは1978年藝祭、9月23日の演奏会スケジュールです。現在と比べて、奏楽堂での有志の演奏会が多い印象ですね。
〈指揮科生によるブランデンブルク協奏曲第5番〉(@奏楽堂、1:10開演)という企画を見つけました。弦楽器・管楽器の演奏は指揮科の学生(大野和士氏をはじめ、今は有名な先生方ばかりですが)が担当して、「☆指揮者は会場で募集します。」だそうです。面白い企画ですね!指揮科の学生は人数が少ないため、この企画以外でもひっぱりだこで忙しそうです。大野氏は毎年の藝祭で精力的に活動されており、指揮をしたりピアノを弾いたり、特に大忙しです。
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音楽・美術双方の学生による座談会が行われることもありました。1979年のテーマは「西洋と日本」「視覚と聴覚」。司会は千住博氏でした。学生が「視覚と聴覚」について疑問を持ち、学内で議論できるというのは藝大ならではのことですね。1985年のパンフレットにも音と視覚についての座談会の特集記事が掲載されていました。
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植村先生、この度は貴重な資料をご寄贈いただき誠にありがとうございました。これから整理を進めて参ります。
ご興味をお持ちになった方はぜひお気軽にお問い合わせください。藝祭パンフレットのご寄贈も歓迎いたします!
(冨澤麻衣子)