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※文末に12/22の追記(メディア掲載情報)あり

 

2020年12月6日(日)、コンサート・シンポジウム「戦争の時代の芸術〜戦争の記憶を語り継ぐ」が開催されました。

このイベントは、東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクトの助成によるもので、4部構成でした。

 

第1部 音楽に込めた想い〜最近の大学史史料室の調査研究より

第2部 戦争が奪った音楽〜学徒出陣で戦死した慶應義塾生

第3部 生きる支えとなった音楽〜沖縄戦で殉職した音楽教師

第4部 クロストーク「戦争の記憶を語り継ぐ〜これからの課題」

 

本学の大石泰名誉教授から本イベントの趣旨説明があり、さっそく第1部が始まりました。

第1部では、本学大学史史料室の橋本久美子が東京音楽学校の戦没学生について報告し、

戸田盛忠(1920〜1945)、鈴木正三(1915〜1945)、岡田二郎(1905〜1945)の作品が演奏されました。

第1部。テノール:中嶋克彦、ピアノ:松岡あさひ

 

第1部。ソプラノ:金持亜実、バリトン:関口直仁、ピアノ:松岡あさひ

 

第2部は、慶應義塾大学経済学部2年在学中に学徒出陣した河野宗明(1922〜1945)に焦点をあてたものです。

河野氏の作品3曲が演奏され、慶應義塾福澤研究センターの都倉武之准教授から同センターの資料に関するお話もありました。

第2部。バリトン:関口直仁、ピアノ:松岡あさひ

 

歌と朗読による「消えた歌声 ひめゆりの別れ」が上演された第3部。

演出家の冨士川正美氏が台本・演出を手がけられました。

この第3部で取り上げられたのは、東風平惠位(1922〜1945)です。

東風平氏は東京音楽学校甲種師範科を繰上げ卒業後、沖縄師範学校女子部の音楽教師を務めました。

生徒が看護要員として動員されていたときに東風平氏が作曲した《別れの曲(うた)》も演奏されました。

歌と朗読による「消えた歌声 ひめゆりの別れ」。(左より)ピアノ・オルガン:松岡あさひ、太田少尉:中嶋克彦、東風平先生:関口直仁、女学生:金持亜実、河野アンジェラ、本多都、林眞美

 

第4部はクロストーク。

エッセイストの海老名香葉子氏、本学の佐藤道信教授、NHK社会番組部ディレクターの中村光博氏、慶應義塾福澤研究センターの都倉武之准教授、演出家の冨士川正美氏、以上5名が登壇されました。

第4部。左より順に、大石泰名誉教授、橋本久美子、海老名香葉子氏、佐藤道信教授、中村光博氏、都倉武之准教授、冨士川正美氏。必要な場所には感染症対策のシールドが置かれた。

 

戦災孤児の問題や東京美術学校の学生たちが経験した戦争など、様々な切り口からクロストークが展開されました。

戦争の記憶を語り継ぐことの重要性と課題を確認し、この日のイベントは終了しました。

 

当日はホワイエにて、コンサート・シンポジウムでとりあげられた作曲者5名にかかわる資料展示も行っていました。

ホワイエの一角。展示ケースは全部で3つ(写真には2つ写っている)。周囲にパネル等も置かれた。ご覧いただく際に密にならないよう間隔をあけた展示配置。

 

展示ケースに並べられたのは、手稿譜、ノート、写真、葉書など。

学生時代に熱心に勉学へ取り組んでいた様子や出陣前後の様子が切々と伝わってくる資料もありました。

 

今回のイベントは新型ウィルス感染症対策のため、ご来場者を定員の半分以下とした他、検温の実施や消毒液の設置等をおこないました。

会場入口。壁には感染拡大防止を呼びかけるポスターが貼られ、消毒液も設置。左側は座席表。客席も一定間隔があけられるよう、当日は全席指定となった。

 

本来であれば、より多くのかたにご来場いただきたいところ、入場者数を制限することになったのは残念でした。

当日のプログラムがこちらにありますので、ご興味をお持ちくださったかたはぜひご覧ください。

 

コンサート・シンポジウムの報告者、パネリストのみなさま、ご協力くださったかたがた、スタッフのみなさま、ご来場者のみなさまに心より御礼申し上げます。

 

【2020年12月22日 追記】

「戦争の時代の芸術~戦争の記憶を語り継ぐ」が複数のメディアで取り上げられています。

共同通信の記事は、東京の他、北海道や沖縄など各地のニュースに出ています。
以下のメディア名をクリックしていただきますと、リンク先に移動します。
Kyodo Newsの動画をご覧になりたいかたは こちら からどうぞ。
NHKのWeb特集は こちら でご覧になれます。
動画部分のみをご覧になりたいかたは、こちら からアクセスできます。