このたび、笹谷政子氏のご著書『異説・日本民族の起源』(2冊)、『日本語の起源』(4冊)、
『短歌 啖呵 嘆歌』(1冊)を大学史史料室にご寄贈いただきました。
各書籍の書誌情報は以下の通りです。
『異説・日本民族の起源(中)』1992年、笹谷栄一朗発行
『異説・日本民族の起源(下ーⅠ)』1995年、笹谷栄一朗発行
『日本語の起源 第一部 縄文語』1998年、新風舎発行
『日本語の起源 第二部 続・縄文語』2002年、本の森発行
『日本語の起源 第三部・弥生古墳語』2004年、本の森発行
『日本語の起源 第四部・日本語と朝鮮語の比較』2009年、本の森発行
『短歌 啖呵 嘆歌』2010年、本の森発行
著者の笹谷政子氏は、1919(大正8)年のお生まれで、
1941(昭和16)年に東京音楽学校器楽科(ピアノ)を卒業されました。
ご卒業後に複数の書籍を刊行され、2014(平成26)年に逝去されました。
『異説・日本民族の起源』の発行者で夫の笹谷栄一朗氏も東京音楽学校のご出身です。
1916(大正5)年生まれで、1938(昭和13)年に師範科を卒業され、1999年(平成11)年に逝去されました。
このたび、上記の書籍を史料室へお持ちくださったのは、ご子息の笹谷陽路氏。
お母様(政子氏)のご著書の表紙と口絵のお写真を撮影されています。
書籍の他に栄一朗氏と政子氏のお写真もご寄贈いただきました。
笹谷政子氏のご著書には、興味深い記述がたくさん見受けられます。
たとえば、『日本語の起源 第一部 縄文語』は「ヤマトことば」の話からはじまります。
「ヤマトことば」は日本歌曲の創作や演奏においても重要です。
声楽や作曲、あるいは日本歌曲研究をするかたがたにも関係のあるトピックスの一つです。
『日本語の起源 第二部 続・縄文語』には「音楽の章 日本人とクラシック音楽」という章もあります。
また、『異説・日本民族の起源(下ーⅠ)』に「銅鐸はラ・カンパネラ」という項目もあり、
銅鐸が音程をもった鐘(ラ・カンパネラ)であり、そのことを裏付ける『続日本紀』の記述が引用されています。
(雅楽などの音階、律呂にかんする部分が記載されています。)
今回ご寄贈いただいた書籍は、音楽を専門とされるかたがたにも関係の深い内容となっております。
ご関心をお持ちになったかたは、ぜひ大学史史料室でお手にとってご覧ください。